キッズドア × JPモルガン × 日本デザイン思考協会——高校生のキャリアをデザイン思考で再設計する「STEP FOR TOMORROW」春季プログラムを実施

認定NPO法人キッズドア・JPモルガン・日本デザイン思考協会の3者が連携し、高校生を対象としたキャリア × デザイン思考ワークショップ「STEP FOR TOMORROW 春季特別プログラム」を実施しました。

このプログラムが生まれた背景

キッズドアが運営する「STEP FOR TOMORROW」は、経済的困難やひとり親家庭、不登校など、社会的・経済的なハンディキャップを抱える女子高校生約100名を対象とした、無償のキャリア支援プログラムです。

秋季プログラムでは「自分を知る」「将来を考える」「一歩を踏み出す」という3つのステップを全10回かけて実施。生徒たちはクリフトンストレングスによる強み発見、多様なキャリアを持つ社会人との対話、そして自分自身のアクションプランの発表を経験してきました。

春季プログラムは、その「続き」です。秋に立てたアクションプランを、デザイン思考を使って、より現実的で自分らしい形に「再設計」することを目的に実施しました。

Day 1:まず、デザイン思考を理解する

初日のテーマは「体験で理解する」。

新聞紙とマスキングテープだけで丈夫な橋を作る「ペーパーブリッジ」からプログラムが始まりました。スタンフォード大学d.schoolでも採用されているこのアクティビティは、「まず試す」「早く失敗する」「失敗から学ぶ」というデザイン思考の核心を、言葉ではなく体感として伝えます。

その後は、スタンフォード大学が開発したデザイン思考の真髄をクイックに理解できる「Gift Giving Experience」へ。生徒と社員がペアになり、相手の「最高のプレゼント体験」をデザインするワークを通じて、生徒たちはインタビュー(共感)の重要性と、表面的なニーズと本質的なニーズの違い、挑戦して失敗することの大切さ、失敗からの学び等を実感して理解していきました。

Day 2:大人が先に「失敗」を話す

2日目はデザイン思考を活用したキャリア・デザイン。プログラムで最も印象的だったのは、「大人が先に自分を開示する」というスタイルです。

社員ボランティアたちは、自分のキャリアの迷い、失敗、想定外の転機を、生徒の前で先に語りました。「私もずっと自分に自信がなかった」「最初の仕事は全然違う分野だった」——そんな言葉が、生徒たちの緊張をほぐしていきました。

「大人も同じように悩みながら来た」という事実は、生徒にとって何より大きな安心感になります。その空気の中で初めて、生徒たちは自分の秋のアクションプランを正直に振り返ることができました。

できたこと、できなかったこと。その両方をデザイン思考の5ステップ(共感・定義・発想・プロトタイプ・テスト)に沿って整理し、社員と1対1で「再設計」へ。プログラムの最後には、リニューアルしたアクションプランを一人ひとりが発表しました。

日本デザイン思考協会の役割

当協会は、本プログラムの設計・監修・ファシリテーションを担当しました。

キッズドアとの連携により「デザイン思考をキャリア教育に接続する」プログラムを設計。言語化が難しい生徒にも対話しながら進められるよう、ペース配分や問いかけの設計に特別な配慮を加えました。

デザイン思考は、企業のイノベーション支援だけに使われるものではありません。自分の人生という「プロジェクト」を、人間中心に、試行錯誤しながら前に進めるための思考法でもあります。

おわりに

経済的な困難や家庭環境のハンディキャップは、「将来を考える余白」そのものを奪うことがあります。キッズドアが無償でこのプログラムを届け続けること、JPモルガンの社員が自分の経験を持ち寄ること、そして当協会がデザイン思考という道具を提供すること。3者の連携が、生徒一人ひとりの「明日からやること」につながりました。

当協会は今後も、教育の現場でデザイン思考が果たせる役割を広げていきます。

【プログラム概要】 主催:認定NPO法人キッズドア 協力:JPモルガン プログラム設計・運営:一般社団法人 日本デザイン思考協会  対象:STEP FOR TOMORROW秋季プログラム修了生

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